SONYのものだったXPERIA

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Xperia XZ3が発表されましたね。

XPERIAユーザーとして、そしてSONYファンとしてXPERIAを取り巻く周囲の反応について思うことが多々あるので、今の気持ちを覚書として簡単に記しておこうと思います。

 

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いつもの通り、XZ3自体の詳細なスペックの詳細については他のメディアに譲ります。
ここではいくつかの重要なポイントだけ。

まずはOLEDについて。
XZ3は画面がLCDからOLEDになり、評判も上々のようです。確かにOLEDは自家発光デバイスとしてコントラスト比の貢献や、ハードウェア設計において薄型化に寄与したりとメリットは多いですが、万能だとは思いません。

OLEDはコントラスト比が向上しますが、スマホにありがちなギトギトの色設計や焼付きの影響、崩れたカラーバランスと、現在世に出ているOLEDスマホのすべてに対して全くいい印象を持っていないので、SONYの調整に期待しつつ「ついにXPERIAもOLEDに手を出してしまったか・・・」と恐怖しているところでもあります。

XEL-1を一つのきっかけにしてSONYはOLEDの民生品化に取り組み続け、最近ではBRAVIAなどでも採用が進んでいますが、XZ3について感じることをまず一言で表すなら「XPERIAにおいては安易に流行に迎合してしまった ―しかも悪い方向に」 ということに尽きます。
具体的にはGalaxyに酷似したエッヂスタイルと、OLED表示領域の四隅を丸めたしまったということなんですけど。

 

特にディスプレイの四隅を丸めてしまったことは致命的です。
SONYはAVメーカーとして、16:9ディスプレイの採用やXPERIAの設計自体においてこだわりを体現し続けてきました。しかし、有効表示面積を減らす、もしくは微小とはいえコンテンツの一部を欠いてしまう意味がわかりませんし、今までのXPERIAの方向性を示していたインタビューに矛盾を感じてしまいます。XAのようなミドルレンジなら良いですが、XZシリーズであっさりと方向転換されてしまうとがっかりです。今に始まったことじゃありませんけど。

SONYが作る映像・画像の四隅は丸まっているんですかね、「XZ3の画質はBRAVIAチームと共同で詰めた」らしいですけどSONYが作るテレビの四隅は丸まっているんですかね!!

そして、上記までもサラッと触れてましたがデザイン、というよりシルエットについて。

UIとしてエッヂを意識した新しいものを採用しているみたいですが、これについては最近サポートが悪いPixelと化していたXPERIAにとって久しぶりの独自UIなので良い印象を受けています。

XPERIAはZから “オムニバランスデザイン” というデザイン言語を採用し、1枚の板を意識したシルエットをベースにデザインされてきました。XZ以降はOBDに “ループサーフェス” というエッセンスを追加し、直線と曲線(ループ)がシルエットに加わりました。

XPERIAとしてはそのシルエットを独自のものとして確立させ、印象的に “変わらないデザイン” を作り上げていくべきだったべきだったと私は考えます。しかし、飽きっぽく俗っぽい世間一般的に変わらないXPERIAというものはつまらないらしく、ベゼルが太いだの代わり映えがしないだの・・・デザイン言語の変更が望まれていたことも事実です。

 

XZ2は変わりました。

今までの印象を捨てて微小化したベゼル領域と、OBDの面影を薄っすらと残すのみとなったアンビエントフロー。しかし、メディアや外野は無神経で、変えろと言ったくせに難癖をつけ、不評の論を焚きつけあまつさえXZ1を「名機」として今更持ち上げようとしています。

アンビエントフロー自体はRの設計が実に緻密であり、背面のカメラレンズと指紋センサーの重心が長辺の比を伝統的なレンズ交換式カメラのそれに近いものに分けている、繊細で安定感のあるデザインです。分厚いと言われ続ける厚みも、手に当たるフレームが絞られていることでかなりライトな印象です。体験(Experience)を名に持つXPERIAに対してスペックだけで批難することがいかに浅はかであるか、まだ分かりませんか。

 

そして、SONYは何を焦ったかXZ3は更にこういった意見を取り入れ、良く言えばブラッシュアップ、悪く言えば迎合した変更がシルエットに加えられました。それが前述した四隅が丸い画面と、必然であってもそこに着地してはいけなかったGalaxyとの相似です。今まで散々独自路線を貫き続けてきたのに!

ベゼルレス化が進んだことで各端末のシルエットやデザインが似通ってしまうことは必然、という声もあります。しかし、端末のシルエットデザインはユーザーにとって唯一直接触れることができるUIであり、そこで個性を出せないということはその端末のブランドを殺していることに変わりありません。そうであればスマートフォンはベゼルレス化などするべきではありません。シルエットのコモディティ化を喜ぶユーザーにデザインを語れるだけの目はありません。

 

現在のXPERIAがユーザーにとって魅力に満ちあふれているか、その誇示すべきSONYのAV技術が惜しみなくXPERIAに注がれているか問われれば、それはノーです。しかし、AV業界を先導するSONYのXPERIAは、SONYが提供するAV体験の中心であって、目先の評価や一時の流行だけを気にして信念を曲げてはいけないのです!そこで勝負をしてはいけないのです! ―本当は。

 

私はXZ Premiumが発表されたとき「もうXPERIAはこれを最後に撤退してもいい」と言いましたが、XZ3を見ているとその言葉を思い出しつつ悲しい気持ちになります。
業績が悪くても、市場でマスを取れなくても、「 “SONYの” XPERIAであること」に意味を見出し続けていたXPERIAはどこに行ってしまったのでしょうか。

私が知っているXPERIAはどこに行ってしまったのでしょうか。

XPERIAは誰のものになってしまったのでしょう?

 

LIL

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